「翼を授ける」でお馴染みのレッドブル。みなさん仕事や勉強でもう一踏ん張りしたい時にお世話になることも多いのではないでしょうか。
ついつい飲んでしまう一方で、レッドブルの効果や危険性についてはっきりと認識している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では
- レッドブルの効果
- 飲み過ぎの危険性
- 太る、寝れなくなるなどの噂
について解説していきたいと思います。
レッドブルの効果

レッドブルを飲むとなんとなく、「頑張れそうだ」、「やる気がみなぎる」といった効果を得ている感覚になりますが、実際の効果はどうなのでしょうか。
レッドブルの成分(長いので成分に先を急ぐ人は飛ばしてください)
効果を確認する前にレッドブルの成分を見てみましょう。
レッドブル1缶(200ml)あたりの成分
- エネルギー :46kcal
- たんぱく質 :0g
- 脂質:0g
- 炭水化物:10.7g
- ナトリウム:80 mg
- ナイアシン:3mg
- パントテン酸:2mg
- ビタミンB6:2mg
- ビタミンB2:0.09mg
- ビタミンB12:2ng
- L-アルギニン:120mg
- カフェイン:32mg
カロリー自体は46kcalと思っていたほどカロリーはありませんでしたね。後半にはナイアシンなやアルギニンなどあまり馴染みのない成分が含まれています。
ここからはそれぞれの成分がどういった効果があるのかを解説していきます。
エネルギー
こちらはみなさんご存知のエネルギー、別名カロリーですね。
そもそもカロリーはエネルギーの単位です。 1ℓの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーが1kcalとされています。
我々の体を動かすエネルギーとなるものですが、摂りすぎてしまうと脂肪として体に蓄積され肥満の原因となります。
ちなみに成人が1日で必要なカロリーは以下の通りとされています。
- 男性:2400kcal程度
- 女性:1400~2000kcal程度
レッドブルは1缶あたり42kcalですのでカロリーとしてはそこまで多くありません。
タンパク質
タンパク質は筋肉や臓器、肌、髪、爪、などを作る体の原材料といったところです。
身近なところではプロテインに多く含まれていますので、意識的に摂取している方も多いと思います。
残念ながらレッドブルにはタンパク質は含まれていませんでした。
脂質
脂質はみなさんご存知の「あぶら」ですね。さらさらとした「油」もあれば、固形状となっている「脂」もあります。
脂質は体の中でつくることができない必須脂肪酸を含んでおり、体の細胞膜の成分やホルモンの材料などになっています。
摂りすぎは肥満の原因となりますが、体に必要な栄養素です。
レッドブルは脂質も含んでいません。
炭水化物
炭水化物はブドウ糖や果糖などの単糖から構成されているものを総称して炭水化物と言います。
炭水化物には体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分けられます。
消費者庁が作成した「栄養素等表示基準値(2015)」では、日本人における1日あたりの炭水化物の目標摂取量は320gとされています。
レッドブルでは1缶あたり10.7g含まれていますのでそれほど多いわけではありません。
ナトリウム
ナトリウムはヒトが必要とミネラルの一つであり、細胞内外のミネラルのバランスを保つものです。
通常の生活を送っていれば不足することはありませんが、摂りすぎるとむくみや口の渇きのほか、高血圧・胃がん・食道がんのリスクを高めることが報告されています。
我々の身近では特に塩(塩化ナトリウム)として有名ですね。
ちなみに成人がとるべきナトリウム量は以下の通りとされています。
- 成人男性:7.5g 未満
- 成人女性:6.5g 未満
レッドブルには80mg(0.8g)含まれています。1缶飲むと1日の必要量の1/8〜1/10程度摂取することになるので、少し多いかもしれません。
ナイアシン
ナイアシンは水に溶けるビタミンB群の一つで、ビタミンB3と呼ばれています。
糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作り出すときや、二日酔いの原因となるアルコールを分解するときに働く「酵素」を補助する「補酵素」として活躍します。
そのほか、脳神経を正常に働かせるなどの効果があります。
これまでの身近な栄養素から急に聞きなれない栄養素が入ってきましたね。
ナイアシンを摂りすぎてしまうと、血管拡張や嘔吐などの症状が現れます。逆に不足すると不足すると、皮膚トラブルや、認知症などに起因するペラグラという欠乏症になってしまいます。
30歳〜49歳におけるナイアシンの1日の摂取目安量は以下の通りとされています。
- 男性:15mg
- 女性:12mg
レッドブルでは1缶あたり3mg含まれていますので、結構多くの量が含まれていることになります。
パントテン酸
パントテン酸もナイアシン同様水溶性のビタミンB群の一つです。
エネルギーの代謝や脂質の代謝を助けるビタミンとして様々な活動を補助しています。
パントテン酸の摂りすぎによる副作用はほとんど報告されていませんが、成人では1日5gが基準とされています。
レッドブルでは1缶あたり2mg含まれています。
ビタミンB6
ビタミンB6もエネルギー代謝の「補酵素」として重要なビタミンです。主にタンパク質の分解補助する役割を担っています。
また、皮膚の抵抗力や免疫機能の増進にも関わっています。
1年以上サプリなどから大量摂取し続けると神経障害を引き起こすとされています。ただ、食品からは大量摂取できないため、日常生活では心配は必要ありません。
18歳以上における1日の摂取目安は以下の通りです。
- 男性:1.4㎎
- 女性:1.1㎎
レッドブル1缶ではなんと2mg含まれていますので、飲んだその時点で1日の摂取目安を超えてしまうことになります。
ビタミンB2
ビタミンB2は、主に脂質の代謝を助ける補酵素です。
皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ち、「発育のビタミン」として知られています。
ビタミンB2を摂りすぎても尿として体外に排出されるため、ほとんど影響はありません。
ただ、尿が黄色くなるのでちょっとびっくりすることはあるかもしれません。
18歳以上における1日の摂取目安は以下の通りです。
- 男性:1.3㎎
- 女性:1.0㎎
レッドブル1缶では0.09mgですので過剰摂取の心配はありません。
ビタミンB12
ビタミンB12は水に溶けやすいビタミンB群の一つです。体内で血液をつくる際に重要な役割を担っています。
ビタミンB12を摂りすぎても副作用はほとんどありません。
というのもビタミンB12は胃から分泌される物質によって吸収を調整されており、必要以上に吸収されない仕組みになっています。
18歳以上の男女では1日あたりの必要量は2.4ngとされています。
レッドブル1缶では2ng含まれていますので十分に摂取できてしまいますね。
L-アルギニン
L-アルギニンはタンパク質を構成するアミノ酸の一つで、疲労回復作用や血管を拡張させ、体や脳の血流を改善する作用があります。また成長ホルモンの合成を促進して脂肪の代謝促進や筋肉組織の強化に作用します
それに加えカフェインの覚醒作用を増強させる作用がありよく栄養ドリンクに含まれています。
レッドブルにもカフェインが含まれており、その効果を増強させるためにL-アルギニンが配合されています。
通常の食事で摂りすぎることはありませんが、大量に摂取すると胃痛や下痢などが引き起こされます。
厚生労働省では1日の摂取目標は公表されていませんが、体内で効率よく働くには2000~4000mg程度の摂取が望ましいとされています。
レッドブル1缶では120mg入っていますので、摂りすぎとなることもありません。
カフェイン
カフェインは、アデノシンに形が似ており、本来アデノシンが結合する場所(アデノシン受容体)に入ってアデノシンの働きを阻害することで神経を興奮させる作用があります。
アデノシンは睡眠物質で眠気を催す作用がありますので、これを邪魔することで目が冴えたり、眠く無くなる効果が現れます。
また、脂肪分解酵素を活性化する効果もあります。
カフェインを摂りすぎるとめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、等の影響があります。国際機関などでは過剰摂取について注意喚起されています。
健康な成人では1日最大400 mgの摂取が望ましいとされています。
レッドブル1缶では32mg入っていますので、十分許容範囲です。
成分を踏まえた効果は?
さて、ようやく本題ですが、成分を踏まえるとレッドブルには「眠気覚まし」、「脂肪燃焼促進」、「筋肉増強」、「エネルギー代謝の効率化」があります。
カフェインによるもの
カフェインには眠気を阻害する効果があるため、「眠気覚まし」として有効です。
また、脂肪分解酵素を活性化する効果もあるため「脂肪燃焼促進」も見込めます。
運動する前などに飲むと有効ですね。
L-アルギニンによるもの
L-アルギニンには成長ホルモンの合成を促進して脂肪の代謝促進や筋肉組織の強化に作用する効果があるため「筋肉増強」の効果があります。
カフェインの効果を助ける機能もあるので、「眠気覚まし」をさらに強めてくれます。
ビタミンB群によるもの
レッドブルにはたくさんのビタミンB群が含まれていましたが、これらは炭水化物や脂質の代謝を促進する補酵素としての役割があるため「エネルギー代謝の効率化」機能が見込めます。
私たちがなんとなく感じていた「眠気覚まし」や「やる気」に加えて、脂肪燃焼や筋肉増強などの付加効果があることがわかりました。
仕事や勉強のお供だけでなく、運動の前にもぜひ飲みたいですね。
飲みすぎると危険?1日何本まで?

成分量からすると一本あたりの栄養素はそこまで過剰ではなく安全であることがわかりました。
飲みすぎると危険!
当然飲み過ぎは危険です。
レッドブルにはカフェインが含まれています。カフェインには脳を活性化させる(いわゆるやる気が出る)効果がありますが、この状態に慣れてしまうと眠気や疲労感、集中できない状態が続いてしまいます。(いわゆるカフェイン中毒です)
また、体調がすぐれない時に大量にカフェインを摂取すると胃痛や吐き気を催すことがあります。
気持ち悪くなったらまず水を飲む
急なカフェインの摂りすぎで気持ち悪くなったら急性カフェイン中毒の恐れがあります。
その場合はまず水をたくさん飲んでカフェインを薄めましょう。
それでも症状が改善しない場合は病院に行き医師の診察を受けてください。
レッドブルは1日3本程度が望ましい
レッドブルは1日3本程度にしておいたほうが良いでしょう。
カフェインに注目した場合、1日12本程度は飲んで良いことになりますが、カフェインはお茶やその他の食品にも含まれているため、レッドブルで全て摂取してしまうと1日の許容量を超えてしまうことになります。
また、レッドブルにはアルギニンによる相乗効果もありますので、大量に摂取摂取せず、適量を飲むのが良いでしょう。
太ったり寝れなくなるデメリットは?

レッドブルだけで太ることはない
レッドブルには脂肪の元となる脂質は含まれていません。
また、同じく脂肪の元となる糖質(表示上は炭水化物)は1缶あたり10.7gですので大体オレンジジュース1杯(200ml)程度となります。
そのため、レッドブルだけで太るということはないでしょう。
眠れなくなる
レッドブルには脳を覚醒するカフェインが含まれていますので、よく言うと脳を活性化させますし、悪く言うと眠れなくなります。
カフェインは4時間程度効果が続きますので、夜ぐっすり眠るためには睡眠の4時間前まで摂取を済ませると良いでしょう。
まとめ
この記事ではレッドブルの効果や危険性について解説しました。
- レッドブルには「眠気覚まし」、「脂肪燃焼促進」、「筋肉増強」、「エネルギー代謝の効率化」がある
- 砂糖やカフェインが極端に多いわけではない
- レッドブルは1日3本程度まで
- 1缶あたりの砂糖はオレンジジュースと同程度だが、眠れなくなるなどのデメリットはある
レッドブルは危険というよりもむしろ機能性の高い飲み物でしたね。
カフェインやカフェインの機能を相乗させるL-アルギニンが含まれているため飲み過ぎには要注意ですが、上手に取り入れることでメリハリのある生活ができそうです。